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自分と闘うアントニオ猪木は必ず復活する 78歳の新しい夢へ、「一緒にインドにゴミを見に行きましょう」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2021/03/12 17:01
公開されたアントニオ猪木の動画はショッキングなものだったが、新たな夢を叶えるべく復活への道を歩んでいる
「インドにゴミを見に行きませんか」
「インドに行きませんか」と猪木に言われた。何かと思うと「テレビを見ていたらガンジス川の支流にヤムナ川っていうのがあって、すごいゴミなんだ」と言う。そのゴミを見に行こう、というのだ。ゴミを見に行くという発想は猪木ならではのものだ。
猪木はなんでも自分の目で見て来た。30年前、猪木と世界を旅しているとき、アマゾンのジャングルにゴールドラッシュの夢を求め金鉱を掘るガリンペーロを訪ねたこともあった。そこでは水銀汚染という環境問題が起きていた。猪木はジャングルまでセスナ機を飛ばした。
猪木はひらめくとすぐに行動に移す。渡辺教授も猪木から直接電話があったことに驚いていた。
「アントニオ猪木ラボ」という水プラズマのゴミ処理設備を搭載したトラックがある。その中での実験を筆者は特別に近くで見せてもらって撮影した。1万度を超える熱と閃光の中で、鉄パイプが消えて行くシーンは魔法の世界のようだった。
「プロレスでやり残したことはない」と猪木は言うが、水プラズマという世界は最後の闘魂がそのすべてを傾けるのに十分なテーマのはずだ。水プラズマで地球のゴミをきれいにする。
猪木は必ず復活するはずだ
猪木はうつろな目でスーっと立ち上がる。そして、両眼を見開くと全身でファイティング・ポーズをとる。モハメド・アリからもらった「イノキ・ボンバイエ」が「ファイト!」って流れている。
アントニオ猪木がアントニオ猪木と戦っている。それは夢とロマンを超えた壮絶な戦い模様かもしれない。
腰の再手術を選択するか、他の治療法を選択するかは未定のようだが、猪木は必ず復活するはずだ。
猪木さん、一緒にインドにゴミを見に行きましょう!