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noteの日記で「自分をさらけ出す」大学サッカー部員… 早大ア式蹴球部がつづる「部員ブログリレー」とは
posted2021/03/09 17:01
text by
森迫雄介Yusuke Morisako
photograph by
WASEDA UNIVERSITY A.F.C.
大学サッカー部の各選手・スタッフが、自分の思いをネット上で発信する。それもSNS上などではなく、noteの日記という形式で――。
2018年秋、早稲田大ア式蹴球部(以下ア式)にて、とある企画がスタートした。その名も部員ブログリレー。毎年10月頃から、ア式に所属する全部員が自由にテーマを設定してリレー形式で日記を更新していくものだ。
そもそも、サッカー選手と文章を書く行為は親和性が高い。頭の中でなんとなく思い描いているものを言語化する作業は相当の苦労を伴うが、思考回路を磨くことに直結する。もともと文章が持ち合わせている「伝達の手段」としての役割という観点からしても、書き手の考えが他者に伝わることで共感や議論を呼ぶことも期待できるので、思考を発展させるチャンスを呼び込める。
とはいえ、大学の“サッカー部”全体で取り組もうというのは、ユニークなチャレンジである。定期的に文章を書く機会を部員たちに与えたことで、どんなことが得られたのか。
当初、情報の出し手が主力に偏っていたが
まず話を聞いてみたのは、部員日記リレーの「仕掛け人」側に立つ2人。外池大亮監督と、林隆生マネージャーである。
きっかけは2018年、就任1年目の外池監督が常日頃から説いていた情報発信の重要性を体現するために、4年生を中心とした部員たちが定期的な部員日記の更新に取り組み始めたことだ。
「それまでは情報の出し手が試合に出ているメンバーに偏っていましたが、ア式蹴球部では各部員が強い思いを持って活動に取り組んでいます。全員がそれぞれ置かれている立場やそこから発せられるエネルギーに共感して、外部も巻き込んで共鳴していくことが、我々のビジョンである『日本をリードする存在になる』という目的のためには重要であり、そのためのチャレンジをしたいと言ってきたので『ぜひやろう』と」
当時をそう振り返った外池監督は、こうも続けた。