「スケートは、僕にとって初恋みたいな存在」

「今季は結果を求めて（自分を）追い詰めずに、自分のためにやったらいいとコーチから言われ、気持ちを軽くしたことでトリプルアクセルや4回転に挑戦できたシーズンでした。今後も探究心を忘れずスケートを勉強させていただいて、コーチとして全日本選手権に帰る日を夢見て頑張ります」

　また大阪代表の本田太一（22）も、引退の演技となった。本田4兄妹として注目され、妹達を引っ張ってきた長男。3回転＋3回転などジャンプを次々と決め、終盤のコレオシークエンスでは、感情をのせて雄大な滑りをみせた。

「コレオステップに入ってからは、もう疲れて脚は動かなかったんですけど、この瞬間がずっと続いて欲しいなって思っていました。5歳から始めたスケートは、僕にとって初恋みたいな存在で、なかなか振り向いてくれることは無かったけど、良いスケート人生だったと思います。4月からは打ち込みたいと思える仕事に就く事ができるので、社会に貢献できる人間になりたいです」

人に気持ちが届けられる演技

　本田は演技後、同じ大阪代表の友野一希（22）をリンクサイドで応援。友野が2本の4回転を降りる好演技を見せると、大きな拍手で迎え、ともにキス&クライに座って笑顔を見せた。友野は今季で大学を卒業するが、来季の北京五輪を目指し現役を続行することを決めている。友野は言う。

「本田選手の演技を見て、最後のイーグルを笑顔でやっているのを見てグッときました。僕もいつか、ああいう風に人に気持ちが届けられる演技をして、スケートを終えられる選手になりたいと思いました」

　 本田から友野へ、情熱のバトンが渡された。

　忘れてはならないのは、首都圏の大学スケーター達。

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