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武藤敬司の“ノア入団”は何を意味するのか 会場がどよめく武道館の潮崎戦にみた「老いぼれ」の底力 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byMasashi Hara

posted2021/02/20 17:03

武藤敬司の“ノア入団”は何を意味するのか 会場がどよめく武道館の潮崎戦にみた「老いぼれ」の底力<Number Web> photograph by Masashi Hara

潮崎豪に勝利した武藤敬司。ノア入団により、プロレス界はどう動いていくのだろうか

森喜朗に関する発言は残念だった

 だからこそ、会見翌日のスポーツ紙上での(旧知の)森喜朗氏に関する発言は残念だった。〈「ごめんなさい」しても許さない世論ってなんかなあ……って思うよ〉、〈謝り方はともかくとして、謝ったら許す世の中であろうぜ〉、〈俺が入団したってことで森さんにも来てもらおうか〉、〈(所属ユニットの)最高顧問になってもらいてえな〉。

 森氏は差別発言が表沙汰になり、それについての謝罪会見の場でも不貞腐れたような態度を取った。ちゃんと謝っていないから批判され続け、オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を辞任することになったのだ。ましてこれは男性社会による女性への差別の問題だ。男の側が許す、許さないをジャッジしていいものではない。

 さらにこの記事をノアの公式ツイッターアカウントが他の記事と同じように拡散。記事が掲載された当日、ノアの広報担当者に連絡すると「対応に関しましては検討中です。以上です」との返答があった。その日、ノア公式の当該ツイートは削除されている。しかしそれ以降、特に声明などはない。

 このまま“ツイ消し”で幕引きなのか。差別に対する厳しい姿勢およびSNS活用のアップデートは必須ではないか。あまりにももったいないことだ。

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