松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
射撃はミリ単位の「静」なる攻防戦 「静止状態で自身と向き合う」水田光夏に修造、大いに共感する
posted2021/03/07 06:03
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph by
Yuki Suenaga
本格的にパラ射撃を始めて5年目。これまでに全日本選手権での優勝や東京パラリンピックの日本代表に内定するなど、水田光夏選手の競技人生は順風満帆だったように見える。しかし、2020年は新型コロナウィルスの影響と就職がちょうど重なったこともあり、競技に対するモチベーションをうまく保てない時期も……。
ただ、それにも意味があったのではないかと考える松岡修造さんは、思うようにいかない期間も含めて成長した水田選手からパラ射撃の魅力と競技を通して伝えたいことを聞いた。
#3「緊張する感覚がわからない」松岡修造も驚く、パラ射撃の新星・水田光夏の規格外のメンタル より続く
基本に忠実なことも大きな武器
松岡:鳥居さん、光夏さんの技術的な強さって、どこでしょう?
鳥居:基本に忠実に、段階的に進めるというのが最大の武器だと思います。射撃って、単純な競技に見えるでしょう? 見た目には静止しているだけだから。そのせいか、いきなり結果を求めようとする選手が多く、そういう選手はある程度点数が伸びてもすぐに伸び悩んでしまうんです。点数が伸びているうちは「このまま行けば」と錯覚する人が多い。でも、そんなに甘くはありません。
水田:私、基本的に鳥居さんに言われたことしかやっていませんから。
松岡:わかります。僕もさっきビームライフルを教わったとき、鳥居さんって教え方が上手いな、鳥居さんに言われた通りやれば、みんな上手くなるよなって思いました。