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八村塁「バスケ漬けにならないと…」18日ぶりの実戦復帰後に見せた“今まで一度もなかった意外な姿”とは?
posted2021/02/02 17:01
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
長く続くパンデミックで、「Sense of normalcy」という言葉をよく耳にするようになった。そのまま「日常感、正常感」とでも訳すべきか。新型コロナウイルスのおかげであらゆることが通常通りとはいかなくなった中で、日常を感じさせる出来事を目にしたときにそんなフレーズが頭を過ぎるのだ。
18日ぶりの実戦は?
1月29日、米東部時間で午後5時20分ごろ。キャピタル・ワン・アリーナのコートにウォームアップのために姿を現したウィザーズの八村塁の姿を見て、ふと「日常感」を感じた。通常、八村はちょうどスコット・ブルックスHCが試合前の会見を行う時間にウォームアップを行い、ストレッチ、ドリブル、シュートなどの練習をこなしていく。
1月11日のフェニックス・サンズ戦後、NBAが定める新型コロナウイルスの安全プロトコルで離脱を余儀なくされたため、八村がゲームに臨むのは実に18日ぶりだった。他にもチーム内で同プロトコルに抵触する選手が続出し、試合開催に必要な最低8選手が揃わず、計6試合のウィザーズ戦が延期されてきた。
「まず離脱していた選手たちに会えて嬉しい。3週間近く会っていなかったので、自己紹介をし直したような感じだった。塁に『オハヨウゴザイマス』と言いたかったんだ」
29日のアトランタ・ホークス戦前、ブルックスHCのそんなコメントもシーズン中の指揮官の言葉とは思えなかった。これまで経験しなかったことが次々と起こっている今シーズン。そんな中でも八村が以前のようにコートに出てきたのを見て、記者席から眺めている取材者たちも安堵に近い思いを禁じ得なかったのである。
しかし――。この日のホークス戦が始まってみると、束の間の「Sense of normalcy」はすぐに消失した。久々の実戦に臨んだ八村はリズムが悪く、特に開始早々はボールがなかなか手につかなかった。ゴール周辺のシュートを何度も外し、前半に決めたのは2本のダンクのみ。後半に入ってようやく思い切りの良い動きも増えたものの、結局、FG3/9で9得点、5リバウンド、1アシストといまひとつの数字に終わった。
結膜炎から復帰して、また離脱…
「僕は負けるのは嫌い。チームの雰囲気は悪くないですけど、みんなストレスはたまっている。チームとしてのケミストリーを上げてどんどん勝っていきたい」