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【箱根駅伝】創価大はなぜ10区で逆転された? 完璧だった榎木監督の起用法、たった1つの“誤算”とは 

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折山淑美

折山淑美Toshimi Oriyama

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photograph byYuki Suenaga

posted2021/01/28 11:03

【箱根駅伝】創価大はなぜ10区で逆転された?  完璧だった榎木監督の起用法、たった1つの“誤算”とは<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

箱根駅伝10区で駒大に逆転を許した創価大・小野寺勇樹。総合優勝の期待がかかる重圧の中、大手町までその襷を運んだ

すべて完璧だった榎木監督の唯一の計算外

 他校の選手とも対等に戦えるこのふたりが期待通りに流れを作ったことで、それ以降の選手たちは自分の力を信じ切って走れるようになった。復路も往路の5人と同じ練習が出来ていた7区の原富慶季(4年)と9区の石津は、榎木監督が「区間上位で走れる」と自信を持って配置した選手で、区間2位と1位。また6区と8区、10区は区間10位くらいを想定したが、6区の濱野将基(2年)は予定より1分以上速い58分49秒で区間7位、8区の永井大育(3年)も50秒ほどいいタイムで区間8位とノビノビと走った。

「すべて完璧に行っても3位争いだと思っていた中で、我々は本当に100パーセントの力を出し切っただけ。逆に他の大学が普段なら区間5位以内では走っているのに、10位以下というようなミスをしたので……」

 こう話す榎木監督にとって唯一計算外だったのは、先頭で独走したことだった。10区は競り合いになると考え、一緒に走る相手に合わせるのが上手い小野寺勇樹(3年)を起用した。だが小野寺は初出場と総合優勝の期待という重圧の中での苦手な単独走となった。その誤算が駒大の大逆転を許す結果につながったのだ。

 昨年のような絶好の気象条件なら、シューズの影響もあって今回もさらなるハイペースの展開になり、結果は全く変わっていただろう。だが久しぶりの悪条件は、箱根駅伝の微妙な展開の妙や面白さを存分に見せる大会となった。その象徴が、ダークホース・創価大の2位という結果だった。

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