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【再び中東移籍】中島翔哉、捲土重来は可能か 深刻なのはポルトが高評価する頑固な指揮官との“軋轢” 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byGetty Images

posted2021/01/19 17:00

【再び中東移籍】中島翔哉、捲土重来は可能か 深刻なのはポルトが高評価する頑固な指揮官との“軋轢”<Number Web> photograph by Getty Images

2020年12月、ポルトガルスーパー杯制覇をチームメートと喜ぶ中島翔哉。再びのチャンスを得るためには、とにかくUAEの地で結果が欲しい

 現に今季の開幕直前、地元メディアから中島の起用法について聞かれたコンセイソン監督は「彼が今、チームにいるのはチームメイトがそれを望んだからだ」と言明した。

 つまり、監督自身は中島をどうしても必要な戦力とみなしていなかったのである。

プレー内容自体は悪かったわけではない

 今季の中島は控えの2、3番手からのスタートとなった。そして、1月上旬までにチームが戦った欧州CL、リーグ、国内カップ戦の計24試合のうち、出場したのは9試合(うち先発は2試合だけ)で無得点1アシスト。12月5日のリーグ戦で途中出場したのを最後に、8試合連続でピッチに立っていなかった。このような状況で出場機会を求めて他クラブへ移るのは、プロとして当然の選択だろう。

 とはいえ今季、中島のプレー内容が特に悪かったわけではない。出場すればスペースへ走り込んでパスを受け、トリッキーなドリブルで突破を図る。スルーパスによる打開を試み、苦手の守備でも汗をかいた。

 だが、ポルトのレギュラー争いは非常にレベルが高い。その中で、監督を十分に納得させるだけのプレーを見せることができなかった。

UAEでやるべきことは明確。目に見える結果を

 今後、中島はどうするべきなのか。また、彼の将来はどうなるのか。

 やるべきことは、明確だろう。彼本来の積極的なプレーを続け、他の選手との連携を高め、課題の守備でも頑張って選手としての総合力をさらに高めること。良いプレーをするだけで満足せず、得点、アシストという目に見える結果を残すこと。これに尽きるのではないか。

 とはいえ、仮にUAEリーグで大活躍したとしても、ポルトに戻って来季、レギュラー・ポジションを獲得できるかどうかは別問題だ。

 そう考える理由は、いくつかある。

 まず、UAEリーグとポルトガルリーグではレベルが大きく異なる。UAEでのプレーがポルトガルで、名門ポルトでどこまで考慮されるか疑問がある。

2019年9月に起きた指揮官との“軋轢”

 最も深刻なのは、コンセイソン監督が昨季のトラブルと今季のプレー内容から中島をすでに見切っている可能性があること。

 そもそも、入団当時の会長と監督のコメントを比べると、彼は監督が希望してクラブが獲得した選手ではなかったのかもしれない。

 また、2019年9月のポルティモネンセ戦での軋轢がある。

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