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遠藤保仁「可能性が有る限り諦めない」 日本代表のレジェンドは名門磐田を“たった2カ月半”で変えた 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/12/18 17:00

遠藤保仁「可能性が有る限り諦めない」 日本代表のレジェンドは名門磐田を“たった2カ月半”で変えた<Number Web> photograph by J.LEAGUE

10月に期限付き移籍で加入して以来、別格の存在感とリーダーシップを発揮してきた遠藤保仁

 その格好のケーススタディが12月16日のホームでの町田戦だった。この日は遠藤が初めてベンチ外。水戸戦のような苦しい展開になることが予想されたが、案の定、ミスなどから前半に早々と2点を献上。誰もが最悪の結果を予期する展開だった。だが、水戸戦の二の舞とはならなかった。後半26分にこぼれ球をベテランDF大井健太郎が決めて1点差。そしてアディショナルタイムには、遠藤の加入で出番が減少していたMF上原力也が同点弾。さらには若手の元気印であるMF藤川虎太朗が劇的な逆転弾を決めて、3-2と試合をひっくり返したのだ。

 この日はホーム最終戦。引退する選手、契約を満了して今季限りとなる選手がチームにいたため、各人の高いモチベーションが追い風になったことも事実だが、今季序盤戦では見られなかった“熱い”プレーが随所に見えた。それは遠藤が加入後に何度となく口にしていた『可能性がある限りあきらめない』という姿勢そのものだった。

すべては2カ月前の「遠藤加入」から始まった

 10月に就任した鈴木監督は、その直後から「誰が入っても同じようなサッカーができるチーム作り」を繰り返し口にしてきた。前回遠藤が不在だった水戸戦ではできていなかったが、シーズン残りわずかの町田戦で見せた劇的な大逆転勝利は、チームが自信を得るためのきっかけとなり得る一戦だった。

 今季前半の戦いぶりでは、いつまでもJ2にとどまり続けてもおかしくないように思えた名門磐田。だが、いまはJ1復帰への期待を抱いて来季を迎えることができる。すべては2カ月半前の遠藤加入から始まったのだ。

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