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フェルスタッペンが最終戦アブダビGP制す ハミルトンがフラフラでも1勝以上の価値があるワケ
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2020/12/18 06:00
ポール・トゥ・ウィン、2位ボッタスに約16秒もの差をつけ今季2勝目を挙げたフェルスタッペン。コロナ明けのハミルトンは3位
レッドブル・ホンダのマシンが優れていたのは事実
それでも体調面でまったく問題のなかったボッタスが「今日のレッドブルは驚くほど速かった」と完敗を認めているように、最終戦でレッドブル・ホンダのマシンが、パワーユニットを含めたパッケージとして、メルセデスを凌駕していたことは事実だ。
しかも、最終戦の舞台となったヤス・マリーナ・サーキットは、14年に始まったV6ハイブリッド時代以降、予選とレースでメルセデスの独壇場となっていた地。そのアブダビGPで予選ポールポジションを奪われただけでなく、レースでも一度もリードラップを奪えなかったメルセデスにレース後、ショックがなかったと言ったら嘘になる。メルセデスが18年の第20戦ブラジルGP以降、39戦に渡って営々と築いてきたF1史上最多となる連続リードラップ記録も、このアブダビGPでついに途絶えたのだから。
レース後、ハミルトンはこう語った。
「21年は間違いなく、激戦が待っている」
20年の最終戦は、その始まりを告げる戦いでもあったのだ。