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JCで牡牝無敗3冠馬を迎え撃つ! アーモンドアイが3冠達成時にルメールが語ったこと

posted2020/11/27 11:00

 
JCで牡牝無敗3冠馬を迎え撃つ! アーモンドアイが3冠達成時にルメールが語ったこと<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

レースを終えて、クリストフ・ルメールは大きく息を吐いた。アーモンドアイに三冠を取らせる責任を感じていたのかもしれない

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

デアリングタクト、コントレイル、そしてアーモンドアイと、GIレース勝利直後の3冠馬が史上初めて対決する今週末のジャパンカップ。デアリングタクトとコントレイルの3冠達成は記憶に新しいですが、アーモンドアイの当時の様子はどうだったのか、当時を振り返る記事を特別に再公開します。(初出:NumberWeb 2018年10月15日 『「今の日本で一番強い、特別な馬」アーモンドアイが完勝で牝馬三冠!』)

 やはり、新たな歴史を築く可能性のあるスーパーホースだった。

 第23回秋華賞(10月14日、京都芝内回り2000m、3歳牝馬GI)を、クリストフ・ルメールが騎乗する1番人気のアーモンドアイ(父ロードカナロア、美浦・国枝栄厩舎)が優勝。史上5頭目の牝馬三冠を達成した。

 オークス以来、約5カ月ぶりの実戦となったアーモンドアイの馬体重は、前走からプラス14キロの480キロ。水曜日に美浦の坂路で49秒7という猛時計を叩き出し、さらに長距離輸送があってもこれだけ増えたということは、この馬にとってはオーバーワークでも何でもなかったということだろう。

 国枝調教師はこう話した。

「仕上がりの早い、気のいい馬なので、ぶっつけ本番になることに関しては心配していませんでした。それでも、仕上がりは、細かいところを考えると八分か、もうちょっと、といったところでした」

テンションが高く、ずっと心配だった

 パドックではおとなしく周回していたが、ルメールを背にすると後ろ脚で蹴る仕草をしたりと、テンションが高くなった。

 馬道から本馬場に入るときも、体の向きを変えるなどして鞍上を煩わせた。そのあたりは休み明けだった影響か。

「今日はずっと心配だった。ゲートのなかでもチャカチャカして、スタートがあまりよくなかった」とルメールは振り返る。

 ややゆっくりとしたスタートを切ったアーモンドアイは、道中、中団より後ろの外目につけた。

 向こう正面では、逃げたミッキーチャームとの差は12~13馬身はあった。3、4コーナーで少し差は詰まったが、それでもまだ10馬身ほど離されていた。

【次ページ】 前の馬たちに大きな差をつけられ、その瞬間…

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#アーモンドアイ
#クリストフ・ルメール

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