「チアダンス」コースにも顔を出す

　教室前後のミーティングは当然のこと、自分がコーチに入っていない「チアダンス」コースにも顔を出す。

「チアダンスの指導者は実績のある素晴らしい方なので、見ているだけで勉強になりますよ。チアで一番大切なのは笑顔をつくること。できない子がいたらみんなでサポートして、みんなで笑顔になる。そういう雰囲気をつくりだしてもらっています」

　巨人、横浜で活躍した駒田徳広を講師に招いた際は、子供たちの集中を呼び込むような話し方が印象に残ったという。

「違う競技でも、指導内容やトークの内容はすべてラグビーバージョンでアレンジできます。僕は野球やサッカーをやってきましたけど、今もう一度学ぶことに意味があるというか。

　遠く投げるための重心移動とか、どうすれば速く走れるとかも含めて、そういう1つひとつが指導者としての幅を広げてくれているように感じます。教えるにあたって、ただ楽しませるだけじゃダメ。やっぱりそこに学びというものがないといけないと僕は思っています」

「ノーサイド・ゲーム」で安西信彦役を演じた

　指導者として幅を広げていく作業。

　それはすなわち、人間としての幅、チャレンジの幅を広げるところに結びついていく。

　実業家の顔を持つ一方で昨年からYouTubeで自分の番組を始め、ラグビーの解説業も積極的にこなしている。

　そして何より驚きだったのが、俳優デビューである。昨年、大きな反響を呼んだTBS日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」でコワモテのフランカーとして安西信彦役を演じた。

　当初は出演を断る予定だったという。ここでも幅を広げたいという気持ちはあったものの、スポーツ教室のことを考えるとスケジュール的に難しかった。

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