スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
内川聖一「『僕は生え抜きじゃない』という遠慮が心のどこかに残っていました」監督がかけた言葉とは
posted2020/11/03 21:15
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
KYODO
雑誌「Sports Graphic Number」と「Number Web」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は10年間プレーした福岡ソフトバンクホークスからの退団を発表した内川聖一選手の言葉です。
<名言1>
「『僕は生え抜きじゃない』という遠慮が心のどこかに残っていました」
(内川聖一/865号 2014年11月13日発売)
◇解説◇
ソフトバンクで押しも押されもせぬ中心選手だった内川。しかし本人は、移籍してからしばらくはいろいろな遠慮があったという。
そんな内川を変えたのは当時の秋山幸二監督がかけた言葉だった。
「小さいことでクヨクヨするんじゃねえよ。『俺は内川聖一だ』って、胸張って堂々とやらないとダメだろ」
以降、伸び伸びとプレーした内川。のちに主将も務め、チームを数々の栄光へと導いた。
痛恨の走塁ミスをおかして……
<名言2>
「自分の中に逃げ道を作ってはいけないと思うんです。全部、自分の責任にして、結果を出さなければダメだと思います」
(内川聖一/826号 2013年4月4日発売)
◇解説◇
2013年のワールド・ベースボールクラシック(WBC)準決勝プエルトリコ戦。
内川は反撃のチャンスを潰す痛恨の走塁ミスをおかしてしまった。
結局、3-1で敗れ、WBCからの敗退が決まった。試合後、内川は「僕が全部壊してしまった」と涙を流し、敗戦の責任をすべて背負った。
傷心を抱えてホークスに合流した内川にファンは温かい声援を送ったが、「もっと深く考えてプレーすれば、あの失敗は防げた」と、内川はあくまで自分に厳しかった。