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「中村君は新幹線、僕は山手線かな」三宅諒の“年齢なりのピーキング”と18歳中村輪夢を羨む理由
posted2020/10/11 06:00
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Wataru Sato
――東京オリンピック300日前と、声を大にして言える場所ができたことは素晴らしいことだと思いますが、その辺りはどう思いますか。
三宅諒(以下、三宅) これまでも(オリンピックに向けての)カレンダーの話はしてきましたが、先行きが見えない中でどうしてもカウントダウンされている実感がわきづらかったんです。でも、こういったイベントによって「300日前なんだ」とみんなの意識が向くことで、我々も準備を再確認して取り組むことができるかなと思います。
中村輪夢(以下、中村) 日本だけでなく、海外での試合も中止になっていました。もちろん大会がなくても上手くなりたいという思いは変わりませんが、やはり目標があった方がモチベーションは上がりますし、ここからはさらに気持ちが入って良い練習ができると思っています。
「信じる」のではなく「疑わない」
――以前、三宅選手に「オリンピックがあることを『信じる』のではなく『疑わない』」というお話を伺いました。中村選手はオリンピックをどう捉えていますか?
中村 オリンピックはとても大きい大会なので、そこを目標に置くことは変わりません。ただ、いつでもいいというか、今年でも来年でもその時に出せるパワーを出すことだけを考えて準備しています。
三宅 今日のイベントで中村君のコメントに感動していたんですよ。「毎日練習するしかないですね」と言いましたよね? あれって何の計算もない本心だと思うんです。まさに疑っていない。僕のように年齢を重ねてくると、その分、経験や見えてくるものはあるのですが、あの純粋な言葉を言えなくなってくる。毎日練習して、そのレール上にオリンピックがあるって感じですよね?
中村 そうですね。がむしゃらにやるしかないかなって(笑)
三宅 それがすごいというか、若さの強みだなと思いました。