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佐野恵太が狙えるイチロー、落合、青木らと同じ偉業とは 週刊セパ好成績&珍記録まとめ
posted2020/09/15 07:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
今週末から観客動員の上限が緩和される。球場の空気も変わってくるだろう。
【今週の“ぴかイチ” DeNA 佐野恵太】
「筒香嘉智がメジャーに行ったから、今年から佐野が4番で主将ね! よろしく」
「はい、わかりました」
で、そのままうまくいけば、世の中こんなに楽なことはないだろう。でも、本当にそうなりそうなのが今年のDeNAだ。
佐野恵太はプロ4年目の25歳。名門・広陵高校から明治大を経てのプロ入りだが、ドラフト指名順位は9位。セ・リーグでは最後の本指名選手だった。
1年目の安打数はわずか2本。大谷翔平や藤浪晋太郎、鈴木誠也ら大物が居並ぶ1994年世代では目立つ存在ではなかった。そこからじわじわと打席数を増やし、昨年は215打席200打数59安打、打率.295。確かに今年は勝負の年ではあった。
とはいえ、いきなりチームの顔だった筒香の後釜に座るのは、大相撲でいう「家賃が高い」のではないかと思ったのだが……。
スランプ知らずのハイアベレージ。
<今季の月別打撃成績>
6月 10試37打数13安 0本5点
打率.351
7月 26試100打数33安打4本14点
打率.330
8月 26試99打数34安打6本22点
打率.343
9月 12試49打数21安打1本12点
打率.429
ほとんどスランプ知らずである。
感心したのは、7月中旬、打率こそ上がっていたものの本塁打が出ずに「物足りない」という評が出ると、7月22日に初本塁打、以後、本塁打もきちっと打つようになったことだ。アベレージヒッターが無理に本塁打を打ちにいって打率を下げることはよくあるが、佐野はそうはならなかった。
9月に入って1試合2安打近くを打っている。今季通算打率は.354、2位のヤクルト村上宗隆に2分5厘もの差をつけて首位打者街道を驀進している。