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“異色の部活”力士!? 園芸部出身の26歳「新関脇」に注目して欲しい“3つの理由”
text by
飯塚さきSaki Iizuka
photograph byKyodo News
posted2020/09/12 08:00
7月場所11日目 、大栄翔(右)は押し出しで横綱白鵬を破った
大栄翔の魅力(その3):愛されキャラ
土俵を離れたところでの大栄翔はというと、栄の後輩に当たる貴景勝や阿武咲にもいじられてしまうほどの愛されキャラであり、ファンの間では有名だ。事実、小さい頃から本当に素直ないい子で、そのまますくすくと育ってきた印象である。
お母さんいわく、昔からよく食べる子だったそうで、幼稚園の面接で先生たちに「好きな食べ物は何?」と聞かれたときは、ほかの子が「ハンバーグ」「イチゴ」などと答えているなか、彼だけは「ごはん」と答えた。「先生が『ごはんのなかでも何が好き?カレーかな?』と畳み掛けると、小さい声で『……ごはん』と答えるので、私が『お米のことです』とフォローを入れたんですよ」と笑っていた。小さめの声で、なんだか照れ臭そうに話す癖は、いまも変わっていない。
中学生の頃は、なんと園芸部に所属。お兄さんによると、大栄翔だけでなく、サッカーや野球のクラブチームなどに入っているスポーツ少年たちも多く所属しており、収穫の時期にだけ集められていたとか。
「よくナスやカリフラワーなど持って帰ってきていました。力士になってから、夏の絵日記でひまわりの絵を描いていたんですが、葉だけチューリップのように下から出ているのを見て、笑いましたね」
彼に関するあらゆるエピソードは、聞いていてどこかほっこりと心温まるものばかり。いつもどんな人にも愛される、大栄翔だからこそ生まれるものといっていいだろう。
結論:土俵上のカッコいい大栄翔に注目せよ!
小さい頃から一貫して「お相撲さんになる」と話し、その夢をかなえた大栄翔。彼が努力し続けられる原点は「親孝行のため」であり、温かい家族がいつも彼を見守ってくれていることが、原動力の一つなのだろう。普段はほのぼのとした温厚なお相撲さんであるが、元来人一倍の負けず嫌いである。土俵上で見せる気迫と、磨き上げられた押し相撲の迫力は、まさに“ギャップ萌え”。ファンの皆さんにはぜひ、これからもカッコいい大栄翔の活躍を見守っていていただきたい。