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奪三振率「16.25」! モイネロがソフトバンクで史上最強級ドクターKに進化の理由
posted2020/09/14 08:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
ソフトバンクのセットアッパー、リバン・モイネロの奪三振率がものすごいことになっている。
<今季、両リーグで30イニング以上投げた投手の奪三振率(K9=9イニング当たりの三振数)ベスト10>1モイネロ(ソ)16.25
(34.1回62奪三振)
2パットン(De)11.13
(32.1回40奪三振)
3フランスア(広)11.08
(31.2回39奪三振)
4笠谷俊介(ソ)11.03
(31回38奪三振)
5国吉佑樹(De)10.80
(33.1回40奪三振)
6今永昇太(De)10.70
(53回63奪三振)
7千賀滉大(ソ)10.60
(63.2回75奪三振)
8山本由伸(オ)10.38
(80.2回93奪三振)
9金子弌大(日)10.09
(30.1回34奪三振)
10戸郷翔征(巨)10.02
(64.2回72奪三振)
アウトの約6割を三振で奪っている
この数値が9.00を超えれば、平均で毎回1三振を奪っていることになる。さらに10.00を超えれば三振をバッタバッタ奪うパワーピッチャーと言えるが、モイネロの数値は16.25、それどころではない。
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K9は「27のアウトを取る間に何個の三振を取るか」という数字でもあるが、モイネロは実にアウトの60%を三振で奪っている。
先発投手ではNPBを代表する本格派と目される、ソフトバンクの千賀とオリックスの山本がランクインしている。しかしモイネロとは数字の次元が違う。こんなK9を記録した選手は過去にはいなかったのだ。
これまでの「K9」ベスト10は?
<NPBでシーズン50イニング以上を投げた投手のK9ベスト10>
1佐々木主浩/1997年(横浜)
14.85(60回99奪三振)
2サファテ/2015年(ソフトバンク)
14.20(64.2回102奪三振)
3藤川球児/2011年(阪神)
14.12(51回80奪三振)
4ファルケンボーグ/2011年(ソフトバンク)
14.03(50.2回79奪三振)
5増井浩俊/2017年(日ハム)
14.01(52.2回82奪三振)
6ジョンソン/2019年(阪神)
13.96(58.2回91奪三振)
7サファテ/2017年(ソフトバンク)
13.91(66.0回102奪三振)
8佐々木主浩/1992年(大洋)
13.86(87.2回135奪三振)
9藤川球児/2006年(阪神)
13.84(79.1回122奪三振)
10大塚晶則/1997年(近鉄)
13.83(82.2回127奪三振)