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渡辺勇大&東野有紗は金メダルを狙う。バドミントン混合ダブルスは頭脳戦。

posted2020/09/02 07:30

 
渡辺勇大&東野有紗は金メダルを狙う。バドミントン混合ダブルスは頭脳戦。<Number Web> photograph by Miki Fukano

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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Miki Fukano

 躍進が著しい日本バドミントン界にあって強化が遅れていた印象もあった混合ダブルスだが、ここ数年で渡辺勇大、東野有紗組が頭角を現している。

「勇大くん」「東野先輩」。そう呼び合う二人は、福島・富岡第一中の1学年違いの先輩と後輩。今年で結成9年目を迎える二人は、「お互いのやりたいことが出来るようになっている」(東野)とペアの成熟度に手応えを感じている。

 攻撃的なプレースタイルの東野に、豊富な運動量で広範囲をカバーし、多彩なショットを繰り出す渡辺。混合ダブルスは女子がコートの前衛、男子が後衛に張り付くシーンが多く見られるが、他ペアより頻繁に入れ替わってラリーを続けられるのが二人の特徴だ。もともとはあうんの呼吸だけでやっていたという連係だったが、'17年末に大きな転機が訪れた。マレーシア出身のジェレミー・ガンが専属コーチに就任。頭を使ったプレーやゲームプランニングを徹底的に叩きこまれた。

「それまでは肉体を酷使して100%出しきっていけるところまでいくプレースタイルでした。でも、それでは限界がある。ジェレミーさんが来てからは、対戦相手が嫌がることやパートナーを生かす重要性を教わりました」(渡辺)

五輪のメダルにも手が届く。

 ジェレミーコーチ就任直後の'18年3月の全英オープンでは混合で日本勢初の優勝を成し遂げ、昨年の世界選手権でも銅メダルを獲得。来年の東京五輪でもメダルに手が届く場所にきている。

「シンプルなミスをなくし、スピードを落とさないことを課題にしてきましたが、それを継続しながら、球の質やプレーの精度、読みや前衛の動きもレベルアップさせたいですね」(東野)

「すべての面でレベルアップしないと金メダルの確率はアップしない。これからもどんな形であれ勝ちにこだわることを常に意識していきます」(渡辺)

渡辺勇大Yuta Watanabe

1997年6月13日、東京都生まれ。富岡高から'16年に日本ユニシスに入社。東野との混合ダブルスの世界ランキングは5位。遠藤大由との男子ダブルスでも同5位。167cm。

 

東野有紗Arisa Higashino

1996年8月1日、北海道生まれ。富岡高から'15年に日本ユニシスに入社。渡辺との混合ダブルスで'18年全英、香港オープンを制覇。全日本総合選手権は3連覇中。160cm。

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