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野茂英雄をドジャースに導いた
オマリー会長の人間力と経営力。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byAFLO
posted2020/08/28 17:30
1995年2月、ドジャースの入団会見でユニフォームを着た野茂英雄と笑顔で握手をかわすピーター・オマリー会長。
オマリー会長が球団経営をしていれば……。
ホール氏は、今とは時代の違いもあると言った。野球だけでなく、マーケティングをはじめとするビジネスの分野でもコンピュータがはじき出したデータが、球団をリードする時代となった。
ホール氏も時代に倣うことは重要だと言いつつも「オマリー会長が今、球団経営をされていたら……」と、そのさきの言葉をのみ込んだ。
野球をするのは選手であり、経営に携わるのも人間だ。データ分析は重要であり、数字がRight direction(正しい道)を導き出すこともわかるが、一番大事なことは携わる人間がお互いの心と心を理解し、リスペクトし合うことではないか。ホール氏がのみ込んだ言葉はここにあると思うのだが。