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高木琢也の堅実と永井秀樹の理想。
J2大宮vs.東京Vでの正反対な数字。
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/07/15 08:00
開幕4連勝を飾った大宮アルディージャ。先日の東京V戦はボール支配率を下回りながらも勝利した。
永井ヴェルディの理想と現実。
さて、東京Vにとっては難しいシーズンとなりそうだ。
看板通りの全員攻撃を見せているが、4試合でわずか2ゴール。初勝利も遠い。
ボール支配率が結果につながらないのは、ボールを持って攻めているようで、実際はボールを持たされ、攻めさせられているからだ。
大宮がそうだったように、東京Vはいつも自陣を固める相手と戦わなければならない。
J1に比べて技術レベルが落ちるJ2では、しっかり守ってカウンターを狙うチームが少なくないからだ。引いて守ることで相手は手数がかかり、自分たちは手数をかけて崩さなくても済む。
こうなると東京Vは狭いところでテクニックを駆使し、相手1人ひとりの背後を丹念に取っていかなければならない。これは容易なことではない。どこかで引っかかって、カウンターの危機にさらされることになる。
なりふり構わず勝点を取りに行く多くのチームと違って、東京Vは理想を貪欲に追求する。これがこのチームと永井秀樹監督の価値観。リスクを負って攻め続ける姿勢は痛快だが、攻めれば攻めるほど泥沼にはまるかもしれない。
ボールを持たずに勝ち続ける大宮は、彼らの目にどのように映るだろう。