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クライミングを危機から救え!
全国各地に広がる“ジム支援”の輪。 

text by

津金壱郎

津金壱郎Ichiro Tsugane

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photograph byAFLO SPORT

posted2020/06/23 11:00

クライミングを危機から救え!全国各地に広がる“ジム支援”の輪。<Number Web> photograph by AFLO SPORT

目標金額5000万円を掲げた理由。

 目標金額は5000万円と大きく出た狙いを、発起人でCLIMBING SPACE BOLDの浅井政臣さんは、こう明かす。

「目標額に届かないのは想定していますし、目標額に届かなくても支援金は参加したジムで分割して使わせてもらいます。だからこそ、ここから先に第二波が来ても、『ジムは閉めずに継続する』という決意表明を込めて、デッカイ目標を立てさせてもらいました」

 大阪には閉店したPUMP大阪を含めて約40ほどのクライミングジムがあるが、浅井さんは「今回のクラウドファンディングの活動を始めた時点で、もうひとつの目的は果たされている」と話す。

一致団結できるネットワークの構築。

「大阪で新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2月頃から、このウイルスによってダメージを受けるばかりではなく、逆手にとって何かプラスになることを始めたいと考えていたんですね。

 それで4月から『一緒にクラウンドファンディングをやりませんか』と他のジムにも声をかけて。今回は大規模なジムとは一緒にできませんでしたけど、彼らにも声をかけたら、大阪のジムで一丸となって乗り切ろうという絆が生まれました。

 やっぱり、これが最大の収穫だと思うんです。これまで大阪のクライミングジム同士の繋がりは、個々の繋がりだけだったのが、今回のことで大阪のほとんどのジムオーナーや店長が一致団結できるネットワークがつくれた。これを使ってコロナ禍が終息したら、大阪中のジムが手を組む元気になれるイベントを仕掛けたいですね」

 兵庫県では9つのクライミングジムが共同で『PUSH UP HYOGO CLIMBING GYMS/兵庫県クライミングジム支援プロジェクト』(期限7月30日・CAMPFIRE)を立ち上げている。このほかの地域ではジム単体でクラウドファンディングを活用した支援プロジェクトもある。詳細は日本クライミングジム連盟のFACE BOOKページをチェックしてもらいたい。

【次ページ】 宮城では2人の女性が発起人に。

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