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「試合に出るために頑張る」は誤り。
PL学園、NPB、海外で感じた“差”。 

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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photograph byRyokan Kobayashi

posted2020/06/08 19:00

「試合に出るために頑張る」は誤り。PL学園、NPB、海外で感じた“差”。<Number Web> photograph by Ryokan Kobayashi

カナダや台湾でもプレーした小林亮寛さん。現在は野球専門のワークアウト施設を経営し、小中学生の指導にあたっている。

目的は「試合に出て活躍すること」

 新型コロナウイルス禍で甲子園が中止となり、各都道府県高野連が独自大会を模索する中で「3年生の多いチームはA、B、Cと分けて出場できないか?」という案が出た県もあるという。

 今年に入り練習試合さえままならなかった3年生への救済措置だが、これは今後も続けても良いのではないか。もちろん試合数の増加や球場の確保など課題は多い。それでも最終目的は「試合に出ること」ではなく「試合に出て活躍すること」のはずだ。

 そして、その活躍をするための成長に最も必要なことは試合でのトライ&エラーだろう。部費を払って野球部に入っている高校野球では、なおさらその機会は平等に与えられるべきだ。

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 小林さんも「お金(部費や月謝)を払うということは、サービスを受ける権利があるということ」として、力を込めて続ける。

「そんな社会では当たり前のことを、“社会”を教えなければいけない教育の場で、教えられていないのは大きな問題だと思います。“あなたは勉強ができないから”とテストを受けられないことなんて無いし、ボウリング場に来てお金払ったのに下手だから投げられないなんてことはありませんよね? 野球の本当の面白さに気づかないまま辞めてしまうなんて、もったいなさすぎます」

 海外とのこうした競技構造の違いは、文化の違いと言ってしまえば、それまでかもしれない。「試合に出るために頑張る」はもちろん尊いことだ。しかし、小林さんが言うように「野球をすること=ゲームをすること」であり、それは一番の成長の場でもある。その場を目指す段階で、指導者の主観によって道が閉ざされてしまうのは賢明なことなのか。一度立ち止まらざるを得なくなった今だからこそ考えてみるべきだろう。

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