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初ダービー14着惨敗から22年後、
福永祐一の成熟と二冠コントレイル。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKyodo News
posted2020/06/01 19:00
武豊、横山典弘、M・デムーロに続き、現役4人目となるダービー2勝目を挙げた福永祐一。
「やっぱり来たなと冷静に」
それからわずか2年後の今年、あれだけ勝てなかったのが嘘のようにあっさりと2度目のダービー制覇という偉業を成し遂げた。それも前回より明らかにプレッシャーがかかったであろう1番人気の重責を背負ったにもかかわらず、コントレイルを栄冠に導いてみせた。
レース後、ダービー2勝ジョッキーは次のようにコメントした。
「思っていたよりペースが流れなかったけど、途中、ノリさん(マイラプソディ騎乗の横山典弘騎手)が動いてくるんじゃないかと思ったけど、やっぱり来たなという感じで冷静に受け止められ、そこで2番手の後ろまでスムーズに進路を取れたのが一番大きかったです。最後も遊んじゃうので追い出しを我慢しました」
いかに冷静に乗れていたかが分かる発言である。22年間の経験と努力が彼を大きく成長させた。そう思えるダービー2勝目の手綱捌きであった。
父ディープインパクト以来となる無敗の二冠馬となったコントレイル。福永騎手が「抜け出してからまだまだ集中し切れず、遊びながら走ってダービーを勝っているわけですから、相当優秀な馬」と評する彼は今後どこまで連勝街道を突き進むのだろう?
秋は三冠を目指すのか、さらにそれ以上の歴史を築きあげていくのか、いずれにしろ怪我なく無事に福永騎手と共に輝かしい未来が待っていると信じたい。