月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
「入口より出口が大事」なコロナ禍で
ようやく見えてきた佐々木朗希の姿。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKyodo News
posted2020/05/31 08:00
26日に登板したプロ入り後初のシート打撃では左打者3人を相手に11球を投じ、そのうち2球で160kmをマークした。
前のめりだった有藤通世。
では現実に戻ろう。5月27日の各紙は佐々木朗希を大きく伝えた。
『出た!!朗希160キロ』(日刊スポーツ一面)
プロ入り後、初のシート打撃に登板して160キロを2度マークしたという。シート打撃登板でこの騒ぎである。だんだん佐々木の姿が「見えてきた」ぞ。
そんな未知の佐々木に接触してきた記事はいくつかある。なかでも傑作だったのは2月11日にスポニチの一面を飾ったロッテの大物OB有藤通世氏との対談だ。開幕の前に紹介しておこう。有藤氏はいきなりこんな質問をしていた。
「大谷は(日本ハムからエンゼルスへ)24歳で移籍した。何歳で行きたい?」
いつメジャーに行きたいかという直球。「タイミングがあるならば、年齢問わず行きたいです」と即答する佐々木。
ゴキゲンな有藤氏はさらに「400勝という数字はどう思う?」と畳みかける。「現実的じゃないかなと感じました」と答える佐々木。すると「そんなことはない。先発ならば1年間で27試合ぐらい投げる。22、23勝したら、10年で230勝だよ」と簡単に言ってしまう有藤氏。
佐々木を前にすると、大御所おじさんも前のめりになってしまうようだ。
早くシミュレーションではない佐々木朗希を見てみたい。それはもうすぐ、かもしれない。
以上、今月のスポーツ新聞時評でした。