選手のストレスを和らげるために。

――レギュラーシーズンのように、公式戦の振り返りや欧州リーグの試合映像などもオンラインミーティングで見せながら、レクチャーしているんですか？

「この期間に映像を見せることはしていません。やはり選手たちはストレスや不安をすごく感じていると思います。サッカー選手なのに体を動かせない。でも、家族のことを守らないといけない。子どものいる選手は子どもたちを学校や保育園に預けられない。

　それはそれで良い時間かもしれないですが、普段と違うということは大きなストレスになります。そうしたことと戦っているところに、大槻はこういうサッカーをやりたいから勉強してくれ、と投げかけるより、そのストレスを少しでも和らげてあげたり、体を動かせる環境を整備してあげるほうが大事なんじゃないかと思っていました」

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――監督ご自身もかなりのストレスを溜められたと思いますが、どのようにメンタルを保ち、どのように過ごされてきたんですか？

「この仕事がすごく好きですから、早くみんなとひとつのものを作り上げる時間が戻ってきてほしいと思いつつも、焦ってもしょうがない。焦るよりも、社会の健康と安全を守るために何ができるか。それは、家にいることかもしれないし、社会の一員としてしっかり振る舞うことかもしれない。そうしたことを考えていました。

　もうひとつは、焦るよりも、次のことを考えて。公式戦が再開されれば、過密日程になる。すると、ケガ人が多くなるんじゃないか、そのためにどんな準備ができるだろうか、といった話をドクターやクラブとしてきました。次のフェーズに入って全体ミーティングができるようになった時のために、映像を準備したり。そうしたことに時間を費やしてきましたね」

例年以上に総力戦で戦いたい。

――今シーズン、J2への降格がないということが決まっていますが、そのことについては、どう捉えていますか？

「なぜ、そうなったのかを、きちんと理解しないといけないと思います。おそらく試合日程もまっさらになると思うし、リーグ戦はやるだろうけど、イレギュラーな形になるかもしれない。地域を分けてスタートする可能性だってあるかもしれない。

　それに、今はコロナ禍が収束に向かっていますが、第二波が来る可能性もある。そういった意味で、みんなが同じ状況、同じスタートではありません。だから、すべてを受け入れるシーズンだと思っているし、選手やスタッフ、ファン・サポーターの方々と力を合わせてチャレンジするシーズン。例年以上に総力戦で戦っていきたいと思っています」

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