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移籍金ゼロでシルバ&ペドロ獲得可!
J参戦ならぜひイニエスタと……。
text by
吉田治良Jiro Yoshida
photograph byGetty Images
posted2020/05/18 20:00
2010年W杯を制した時のスペイン代表。イニエスタに続き、シルバ、ペドロもJ参戦となれば……泣いて喜ぶファンは多いはず!
コストをかけずに戦力強化できる。
加えて経済的な側面も、移籍マーケットにおける振る舞いに制限をかけるだろう。コロナ禍によって大幅な収入減を余儀なくされたクラブにとっては、何よりもいかにコストをかけずに戦力強化を図るかが、この夏の重要なテーマとなる。
ただ、そうであればなおさら、移籍金の発生しないボスマンプレーヤーは、補強戦略上のひとつの柱となりうるはずだ。
そうした中で、個人的に今夏の去就を注視したい30代のボスマンプレーヤーが、シルバとペドロだ。
ともに“ボールプレーヤーの産地”として知られるカナリア諸島の出身(シルバがグラン・カナリア島、ペドロがテネリフェ島)で、2010年の南アフリカ・ワールドカップ制覇など、スペイン代表の黄金期を支えたアタッカーである。
シルバはすでにマンC退団を明言。
すでに今シーズン限りでのマンチェスター・Cからの退団を表明しているシルバは、言わずと知れた左足の魔術師。卓越したボールスキルとプレービジョンでバイタルエリアを攻略し、完璧なラストパスで決定機の山を築く。
左右両ウイング、インサイドハーフ、トップ下と対応ポジションは幅広く、「偽のCF」も務めたスペイン代表では、2018年ロシア・ワールドカップの予選でチーム最多タイの5得点を挙げるなど、シュートセンスにも非凡なものがある。
2010-11シーズンの加入以来、絶対的な主力として4度のプレミアリーグ制覇、2度のFAカップ優勝に貢献するなど、今ではすっかり“シティの顔”となったシルバだが、印象に強く残っているのは、まだ20歳そこそこで売り出し中だったバレンシア時代の躍動だ。
2006年の夏にレンタル先のセルタから、下部組織時代を過ごしたバレンシアに復帰し、退団したパブロ・アイマールから背番号21とトップ下のポジションを引き継いだ若者は、2年目の2007-08シーズン、チームにコパ・デル・レイのタイトルをもたらす。
バルサとの準決勝第2レグで、ファイナル進出を決めるフアン・マヌエル・マタのゴールを演出すると、ヘタフェとの決勝でも圧巻の2アシスト(3-1で勝利)。身長170cmの小柄なテクニシャンは、当時からピッチ上で巨人のごとき存在感を放っていた。