スポーツ百珍BACK NUMBER
野球ユニフォームって動きやすいの?
ミズノの開発担当者に聞いてみた。
posted2020/03/28 09:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Satoshi Shigeno
仕事柄、いろいろな競技のユニフォームを目にする。そしてスポーツアパレル各社からテクノロジーの進歩によって数多くの改良が図られているなどのリリースをいただく。
その中で、いつも思うことがある。
野球のユニフォーム……動きづらそうじゃない?
ADVERTISEMENT
少年野球をちょっとかじった後、サッカーやバスケなど色んなスポーツを経験した身であると、インナーシャツを着てのベースボールシャツ、でもってベルト付きの長ズボンにストッキング。他競技に比べて格段に“厚着”で、ただただ動きづらかった印象なのである。
そんな疑問をずっと持っていたんだから、作ってる人に聞いてみるか……。電話してみたら、話を聞かせてくれるという。新幹線で向かう先は大阪、ミズノ株式会社の本社。「野球のユニフォームはホントにあれがベストの形なのか。20年前はゴワゴワだったが今は進化しているのか、問いたい!」と勇んで行ってみた。
開発担当者も厚着には疑問?
「実際そうですもんね。それが野球を定期的にプレーしたことのない皆さんから見た、素直な感想というかね、そう思いますよ。なんで何枚も重ねて着るんだろう、とか(笑)」
取材に応じてくれた野球アパレルの担当者・松井克徳さんが意外にもあっさりと認めつつ、厚着にも疑問を持っていたようで、こちらが驚いてしまった。
実は松井さん、高校時代は甲子園に出場するなど、白球を追っていた元球児だ。今も野球の現場に足を運び、時間があれば自らユニフォームの機能性をチェックするため、草野球に励むというプレーヤー&開発者の鑑のような人である。
日焼けした笑顔とたくましい肉体、威圧感あるな……との第一印象だったが、松井さんは想像できない柔らかな物腰でユニフォームの変遷について説明してくれた。