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<ベイスターズをのぞいてみよう!>
ファーム監督・三浦大輔の指導法。
posted2020/03/13 11:50
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Asami Enomoto
――今は「監督」と呼ばれているんですか。
そうですよ。ちょっとずつ慣れてきましたけど、最初は「監督」と呼ばれても反応できなくて。何度か呼ばれて、「ああ、俺のことか」と(笑)。
――ファーム(二軍)監督として心掛けていることはありますか。
選手への指導はコーチがするので、最初は何をすればいいのかわからなかったんですけど、コーチとのコミュニケーションを大事にしています。選手の性格、状態、長所と課題、去年のプレーとか、話題は選手のことが多いです。
――試合の指揮についても勉強されているところですか。
まだ細かいサインは出していませんが、公式戦になったらこの場面はこういうサインを出そうと、頭の中でシミュレーションしながらやっています。練習試合を1試合やっただけで、けっこう疲れますね。幸い、去年までファーム監督だった万永(貴司)さんがファーム総合コーチとしてそばにいてくれるので、わからないことは逐一、教えてもらいながらやっています。
負けてもいい、打たれてもいいではなく。
――ファームは育成や調整の場という側面もあり、選手起用が難しいのではないかと想像します。
確かに勝ち負けだけが大事ではない舞台ですが、それでも選手には「勝つために何をするのか」という姿勢でやってほしいと伝えています。今日は負けてもいい、打たれてもいいと思いながらプレーしても、学ぶことはできませんから。もちろん、育成や調整のために、打ち込まれている投手をもう1イニング投げさせないといけない場面も出てくると思います。
それでも、「もう1イニング投げられるから何点取られてもいい」なんて思ってほしくない。あくまで次の1イニングを抑えに行ってもらいたい。勝利のために自分がどんな役割を果たすのかという点は、一軍でも求められることですから。
――若い頃から髪型をリーゼントにしていた三浦監督とは違って、最近の若い選手は自分をアピールすることが苦手な印象です。
とにかく、自己アピールができる環境を作ってあげたいですね。選手に行動を起こしてもらって、失敗したらケアしてあげられるような。たとえば盗塁にしても走れそうならどんどん走ってもらって、もしアウトになったら「なぜアウトになったのか」とコーチと話し合えるようにしてほしい。何事も積極性がなくなったら、失敗はしないけれど成功もしませんから。