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賞金女王・鈴木愛の“職人的クラブ”。
「新しくて飛ぶ」より重視するもの。
posted2020/02/28 12:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
2020年はプロゴルファー・鈴木愛にとって特別な年になるはずだ。
'19年シーズンの賞金女王、ディフェンディングチャンピオンとして、いわゆる黄金世代、プラチナ世代と呼ばれる若手実力派の選手たちのチャレンジを受ける。
そしてその中でまず東京オリンピックの舞台へと進み、そこでメダルを目指すという戦いもある。
その大切なシーズンに向けて鈴木は2月上旬から約2週間の米・アリゾナ合宿を行ってきた。
「いつもアリゾナでは風邪をひくんですけど、今年は何とかひかずに終われました。いい調整ができました」
クラブの基本セッティングを決める。
順調に過ごしたアリゾナの2週間。目的はもちろんショット、パットなど技術的な調整だ。ただもう一つ、やらなければならない大切なことは、そのシーズンに使うクラブの基本セッティングを決めることにある。
「彼女はアリゾナで決めたセッティングを1シーズン使い通しますね。シーズン中にクラブを変えたり、スペックを変えることはほぼない」
こう語るのは用具契約をしているPINGゴルフジャパンのツアー担当・須藤亮さんだった。
昨年途中にパターの入れ替えはあったが、クラブのセッティングは一度も変わっていない。昨年はG410シリーズが新たにラインナップされて、鈴木もアリゾナキャンプでドライバーとフェアウェイウッド2本を旧400シリーズから変更することを決めた。
「今年の新しいモデルはパターぐらいしか出なかったので、全体的なセッティングの変更はすごく少なかったです。パターは新しいタイプのものと、以前から使っているピンタイプのもの、どちらを使うかはその週の調子によって決めようかなという感じですね」