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過去の自分よりも良い演技ができる。
羽生結弦、プログラム変更への自信。

posted2020/02/11 11:50

 
過去の自分よりも良い演技ができる。羽生結弦、プログラム変更への自信。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

四大陸選手権で優勝し、男子史上初の「スーパースラム」を達成した羽生結弦。左は2位のジェイソン・ブラウン(米国)、右は3位の鍵山優真。

text by

田村明子

田村明子Akiko Tamura

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Asami Enomoto

 羽生結弦が四大陸選手権前に、SPをショパンの『バラード第1番』、フリーを『SEIMEI』に戻したことがニュースになった。

 昨シーズンから継続して滑ってきたSP『秋によせて』とフリーの『オリジン』からの変更で、世界選手権での勝負に向けての決断だという。

 四大陸選手権は韓国での開催だったため、平昌オリンピックで演じたプログラムへのトリビュートという意味を込めたのか。

 あるいはGPファイナル、全日本選手権で優勝を逃して沈んだ気持ちを、羽生の競技人生で最高の結果を出したプログラムに戻すことでリセットする意味もあったのだろうか。

 様々な憶測がされた中、本人は四大陸選手権で現地入りしてから、こう説明した。

「自分が目指しているスケートは、ただ難しいことをするスケートではないと思った。今シーズンのプログラムは自分の呼吸ではないなと感じた」

世界選手権での4アクセルも見据えて。

 12月のトリノGPファイナルでは、フリーでルッツとループを含む構成で4回転を5度、初めて成功させた。だが本人が後に語ったように、普段よりもジャンプに集中し、トランジションはいつもほど入れていなかった。

 そのことが、羽生に「自分が目指すスケートはこういうものではない」という思いを確認させることになったのだという。

「『バラード第1番』も『SEIMEI』も伝説として語り継がれるような記録を持ってしまっている子たちなので、できれば寝かせてあげたかったが、もう少しだけこの子たちの力を借りてもいいかなと思った」

 世界選手権で4アクセルを組み込むことも見据えて、自分の呼吸によりあったプログラムに戻したのだという。

【次ページ】 ベテラン記者からの厳しい批判。

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