プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
国境を越えたノーロープの世界。
鈴木みのるとモクスリーの奇妙な縁。
posted2020/02/05 11:30
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
鈴木みのるが笑っている。ジョン・モクスリーが顔を突き出している。そして、取っ組み合いだ。
2人の抗争がはじまったのは昨年12月8日の新日本プロレスの広島大会だが、今年の1月5日の東京ドーム、1月6日の大田区総合体育館、そして、2月1日と2日の札幌・北海きたえーる2連戦と、その戦い模様はエスカレートしている。
最初の3大会では直接対決のカードは組まれておらず、すべて乱入の番外戦だったが、その記録に残らない「戦績」は鈴木の1勝2敗だった。
だが「売られたケンカは買ってやるよ」と宣言していた鈴木は、2月の札幌での大会初日のタッグマッチでモクスリーをパイルドライバーで仕留めて見事にフォール勝ちしてみせた。この試合、実際のところはほとんどが場外で行われており、鉄柵やイスが飛び交うという内容だった。
札幌2日目の8人タッグマッチではモクスリーの入場を観客席内で鈴木が襲撃――そこから長い場外戦となった。2人の間には勝ち負けは存在しなかったが、激しい取っ組み合いと怒号は試合終了後の控室まで続くことに。
この決着戦は2月9日に大阪城ホールで……ということで、モクスリーの持つIWGP・US王座に鈴木が挑戦する形で行われることになっている。