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吹奏楽部は甲子園のない冬も応援中。
サッカー、春高バレーの人気曲は? 

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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photograph byHiromi Ishii

posted2020/01/16 18:30

吹奏楽部は甲子園のない冬も応援中。サッカー、春高バレーの人気曲は?<Number Web> photograph by Hiromi Ishii

春高バレー、観客席での1コマ。吹奏楽部がこんな感じで試合を見つめつつ、応援を繰り広げている。

高校サッカーはJクラブの曲が多い?

 サッカーやバレーボールには、野球のように「攻撃時のみ演奏」というルールが当てはまらないため、両校同時に演奏することがほとんど。

 たとえば、今年筆者が足を運んだサッカー選手権大会決勝戦の場合、青森山田の『ロッキーのテーマ』と、静岡学園の『どか~ん』(真心ブラザーズ)が同時に鳴り響いたと思ったら、青森山田はドラムのきいたロックな『第九』、オペラ『アイーダ』の『凱旋行進曲』、東京ヴェルディがチャントとして使用する『ジ・エンターテイナー』と、次々に切り替わっていく。

 対する静岡学園は、サンフレッチェ広島が使う『Saturday Night』や、柏レイソルや川崎フロンターレが使う『グリーングリーン』、松本山雅や大分トリニータの『SEE OFF』といった具合だ。

 当然だが、Jリーグで使われている曲が多いのが、サッカー応援と野球応援の大きな違いだろう。

 高校野球応援でも高い人気を誇るロックバンド・BRAHMANの『SEE OFF』は、松本山雅や大分トリニータも使用している影響で高校サッカー界でも人気だが、両チームの『止まらねぇ 俺たち○○(地名)暴れろ 荒れ狂え』という歌詞を使う野球部が甲子園でも増えており、野球応援にもサッカー応援の影響が大きくなっているように感じている。

 青森山田の場合は、サッカー部のみで応援歌を歌い、吹奏楽部は演奏しない場面も多かった。

 吹奏楽部顧問の高橋太郎氏に聞いたところ、「野球応援には野球部の、サッカー応援にはサッカー部のそれぞれの想いがある。普段サッカー部は自分たちで歌って応援することが多いので、彼らのいつもの応援をバックアップするという気持ちで演奏しています」とのことだった。

4試合同時進行の春高バレーはカオス!

 このように、2校同時に演奏するサッカー応援に輪をかけてカオスなのが、春高バレーの応援だ。

 1回戦や2回戦は、4面で4試合同時に行われるため、当然ながらアリーナの中に8校がいることになる。吹奏楽部の応援は全校が来るわけではないが、筆者が観戦した時は、半分くらいの学校が来ていることが多く、4面となると4~5校の吹奏楽部がいる。同じ空間ですべての吹奏楽部が同時に演奏するため、四方八方から音が入り乱れてまさにカオス状態。

 サッカー同様、細かい演奏ルールが決まっているわけではないため、得点時のみ演奏する学校もあれば、タイムアウト時のみに演奏する学校や、試合中ずっと応援曲を吹き続けている学校もある。

 点が入るたびに、高校野球でもおなじみの天理高校の『ファンファーレ』を吹く学校もあるのだが、野球と違って頻繁に点が入るため、しょっちゅうファンファーレが鳴り響いているといった具合だ。

【次ページ】 過去に習志野は、あの曲を……。

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