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鹿島が元日の天皇杯決勝に託すもの。
大岩監督の最終戦、3年間の総決算。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byGetty Images

posted2019/12/30 11:50

鹿島が元日の天皇杯決勝に託すもの。大岩監督の最終戦、3年間の総決算。<Number Web> photograph by Getty Images

大岩体制で臨む最後の試合が元日の天皇杯決勝。アントラーズの歴史に残る1日になる。

「目の前のタイトルに全力で」

「どちらがJ2のチームか分からない」

 そんな声も聞かれた長崎戦後、大岩監督は決勝へ向けて語った。

「選手たちが局面局面で修正することは90分間を通してやれていた。そこを評価している。そのうえで自分たちが試合をどういうふうに進めるかというところで、統一感を持つことが重要。ベクトルを合わせる、そういう準備をしたい」

 鹿島を率いる最後の試合、どんなサッカー、どんな大岩アントラーズを見せたいかと訊くと少し戸惑った様子で答えてくれた。

「どんなサッカーをしたいか、僕のサッカーをしたいという気持ちよりも、決勝戦ですから、どんな形でも勝利を手にする。鹿島アントラーズの哲学である、常に目の前のタイトル、目の前の試合に全力を尽くすと、そういう気持ちで臨みたい」

「勝つことでしか学べないものがある」

 リーグ最終戦、名古屋に1-0で勝利したあと、曽ヶ端準はそう語った。苦しみながらも1点差で勝利した天皇杯長崎戦。決勝へ進出できた現実を自信に変えられたなら、タイトルに近づけるはずだ。

 新監督のもとでスタートする来季もまた、ACL出場が決まっている。

 天皇杯優勝ならば、2月8日のゼロックス杯を経て、11日に本戦がスタート。準優勝ならば、リーグ戦3位として、1月28日のプレーオフからの参戦。

 準備期間は限られている。だからこそ、自信を得たい。

「今ひとつタイトルを獲れば、チームが変われる」と内田も話す。

 有終の美がもたらすものは、オフや調整期間だけではなさそうだ。

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