ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
田村潔司へ「真剣勝負してください」
拳王“コラコラ問答”と中邑の記憶。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byEssei Hara
posted2019/11/23 18:00
11月2日、場外での拳王を見つめる田村潔司と長州力。11月9日には、拳王はかつて田村が高田延彦に発したセリフを真似するように挑戦状を叩きつけた。
拳王vs.田村、実現の可能性は?
そして中邑真輔vs.アントニオ猪木は、猪木が引退しているため実現することはなかったが、田村はリングから遠ざかっているとはいえ現役選手。'95年に新日本との対抗戦に背を向けて以降も、ただの一度もいわゆる純プロレスの試合をしていない田村が、ノアのリングに上がることは考えにくいように思われるが、筆者は実現の可能性は低くはないと思っている。
かつてはUWFの試合スタイル、そして理念を守るためにプロレスから背を向けた田村だったが、いまはUWF系の団体も事実上存在せず、守るべきものはない。田村にとっても、ノアのリングに上がることは、現在のプロレス界にUWFスタイルをプレゼンする絶好の機会でもあるからだ。
だからこそ、もしノアのリングに上がったとしても、田村は自分のスタイルを崩すことはないだろう。その時、拳王がどんな闘いを見せるのか。どれだけのことを世間にアピールすることができるか。
拳王vs.田村潔司は、拳王にとっての勝負なのだ。