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先輩の教えを胸に、コツコツと。
西武残留の十亀剣が誓う日本一。

posted2019/11/15 11:30

 
先輩の教えを胸に、コツコツと。西武残留の十亀剣が誓う日本一。<Number Web> photograph by Kyodo News

西武残留を決めた十亀剣。2年連続で逃した日本シリーズ進出をかなえるべく、新たなスタートを切った。

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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Kyodo News

 10月30日、十亀剣がフリーエージェント(FA)権を行使した上でのライオンズ残留を表明した。

「宣言残留という方法が、いちばんわかりやすく、チームに感謝を表すことになるのではないかと思ったからです」

 再びFA権を取得できるのが4年後ということになり、十亀の年齢を考えれば生涯ライオンズのユニホームを着続ける可能性は高くなる。近年、FAでの流出があとを絶たなかったライオンズにとっては、十亀だけではなく、将来的にFA権を取得するであろう選手へのアプローチにもつながる結果となった。

 筆者の印象ではあるが、ここ数年、十亀のコメントの端々に後輩を思う気持ちを感じる機会が増えた。

「今回のFAについては、本当に人生で一番悩んだのではないかと思うくらい悩みました。でもその結果、今後自分が選手として、チームにどう関わっていけばいいのか、見直すいいきっかけにもなりました。後輩たちに年相応のアドバイスも送れるようになりたいですね。言葉で引っ張るタイプではないですが、自分の背中を見てもらって、『十亀がやっているのに先に練習を終えられないな』と思われるような先輩になりたいです」

「亀」のようにコツコツと。

 十亀は2012年にJR東日本からドラフト1位で西武に入団した。昨シーズンは勝ち星こそ5勝にとどまったが、最後まで首位を争ったソフトバンク相手には2点台の防御率を記録するなど、ライオンズの逆転優勝に欠かせない存在となった。今年の7月16日にはプロ入り通算50勝を達成。

 ここまでは好投しても味方の援護に恵まれなかった試合も多く、50勝到達に時間がかかったが、その名の通り昔話に登場する「亀」のように勤勉に、コツコツと勝利を積み上げてきた。

【次ページ】 館山の言葉は「すっと腑に落ちる」。

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