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外国人フォトグラファーが厳選する
ラグビーW杯決勝の「表」と「裏」。
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byDavid Ramos/Getty Images
posted2019/11/10 11:50
水着姿でカップにキスをする南アフリカの司令塔、ファフ・デクラーク。縦横無尽に走りまわるSHに、ジャパンも苦しめられた。
陽気なムボナンビ、クールなデクラークは?
<デイビッド・ラモス選1>
Getty Imagesが大会のオフィシャル写真の撮影を担当している。そのおかげで試合後のロッカールームなど、普通は立ち入ることのできない特別な場所で撮影ができる。帽子に指をさして喜ぶ、ボンギ・ムボナンビはおそらくスプリングボクスで最も「表現力」豊かなプレーヤーだ。私は彼を撮影するために、優勝決定後のロッカールームでもそばにいることにしていた。彼が「チャンピオン」と書かれた帽子を取りに行ったとき、シャッターチャンスが来ることを感じ、すぐ後ろで振り向くのを待つことに。予想通り、ムボナンビは「チャンピオン」という言葉を指しながら笑顔でカメラに目線を送ってくれた。
<デイビッド・ラモス選2>
ファフ・デクラークはロッカールームに着くと、すぐにユニフォームのズボンを脱ぎ、南アフリカ国旗がデザインされた水着姿になってお祝いをし始めた。これはかなりの画になると思い、ポートレート撮影の際に「このまま、この水着を着ていてほしい!」と思っていたが、撮影場所に到着すると、白い「チャンピオン」と書かれたTシャツを着ていた。数枚トロフィーを持つデクラーク選手を撮影したのち、彼は撮影セットから離れ、もう一度、服を脱ぎ始めた。その瞬間、私は叫んだ。「水着姿でもう2枚!」。クールな彼はニヤニヤと笑いながら「もちろん」と言ったのだ。南アフリカを優勝へ導いたスクラムハーフ、デクラークの、お茶目な1枚である。
「また日本でラグビーの写真を」
<ショーン・ボテリル選4>
決勝戦の後、客席で「GREAT SUCCESS」と書かれた紙を持って、ピッチを見ていたファンの写真だ。感動を与えてくれた選手たち、そして日本大会に、感謝の意を表しているようにも見える。
日本のファンはハッピーな人が多かったが、彼もそのうちの1人だろう。各所で称賛の声が上がっている通り、日本は今年ラグビーワールドカップの開催国として素晴らしい役目を果たした。たくさんの人に感動と勇気を与え、ラグビーを今まで知らなかった人々にもラグビーの魅力を伝えた。私自身もまた日本でラグビーの写真を撮りたいと思う。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。