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ここ最近、J1残留ラインが高すぎる。
プレミアやブンデスと比べても……。 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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posted2019/11/07 11:50

ここ最近、J1残留ラインが高すぎる。プレミアやブンデスと比べても……。<Number Web> photograph by Getty Images

イニエスタ、ポドルスキらが加入するも、昨季は残留争いに巻き込まれたヴィッセル神戸。第33節清水戦でなんとかJ1の座を死守した。

過去10年の下位4クラブの勝ち点は?

 ここ2シーズンのJ1残留争いは、以前にも増して混戦具合に拍車がかかっているのは確かである。

 J1参入決定戦を含めれば1998年からあるJリーグの昇格・降格システムだが、残留争い渦中のクラブがこれほどまでに勝ち点を積み上げていただろうか。

 そこでここ10年の下位4クラブ、残留確定の15位、そして16、17、18位の勝ち点を調べてみた。それぞれ第30節終了時点(2ステージ制の2015、2016年は2nd第13節時点)、シーズン終了時点の勝ち点だ。

<2009年>
第30節
大宮36/柏27/千葉24/大分20
第34節
山形39/柏34/大分30/千葉27 

<2010年>
第30節
FC東京32/神戸30/京都16/湘南16
第34節
神戸38/FC東京36/京都19/湘南16

<2011年>
第30節
浦和32/甲府30/山形21/福岡18
第34節
浦和36/甲府33/福岡22/山形21

<2012年>
第30節
大宮36/G大阪33/新潟31/札幌14
第34節
新潟40/神戸39/G大阪38/札幌14

<2013年>
第30節
甲府31/湘南25/磐田20/大分13
第34節
甲府37/湘南25/磐田23/大分14

<2014年>
第30節
大宮31/清水31/C大阪30/徳島13
第34節
清水36/大宮35/C大阪31/徳島14

<2015年>
第30節
新潟30/松本27/山形24/清水21
第34節
新潟34/松本28/清水25/山形24

<2016年>
第30節
新潟27/名古屋26/湘南20/福岡19
第34節
新潟30/名古屋30/湘南27/福岡19

<2017年>
第30節
甲府28/広島27/大宮24/新潟16
第34節
広島33/甲府32/新潟28/大宮25

<2018年>
第30節
磐田34/鳥栖33/柏33/長崎29
第34節
名古屋41/磐田41/柏39/長崎30
※この年から16位はJ1参入プレーオフへ。

<2019年>
第30節
鳥栖32/湘南31/松本30/磐田25

改めて驚いた“ハイライン”ぶり。

 最下位の勝ち点を見れば分かる通り、以前は勝ち点10台、多くても同20台前半で“早期脱落”が決まるケースが大半だった。

 しかし昨シーズンの長崎は第30節時点で、'16年の新潟・名古屋のシーズン終了時とほぼ同じ勝ち点を積み上げており、底が上がっていると言っていいだろう。また今季の磐田は昨季の長崎より勝ち点4少ないとはいえ、ここ10年で2番目に多く勝ち点を稼いでいる。

 なおかつここ2年は16、17位がすでに30台を突破している“ハイライン”ぶり。'12、'14年も同じ状況だったが、こうなると大混戦の印象が強い。

「残留ラインの勝ち点は全試合数±3くらい」と聞いたことがあるが、J1は世界的にも相当高いハードルなのではないか。そこでプレミア、リーガ、セリエA、ブンデス1部の2018-19シーズンの下位4クラブの最終的な勝ち点も見てみよう。

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