畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
畠山健介が語る古巣、家族への感謝。
米国ラグビーという少し先の未来へ。
posted2019/11/04 11:30
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph by
Kensuke Hatakeyama
新しいチームが決まった。正確に言うと、決まっていたことがようやく発表できる。
アメリカのラグビー国内リーグ、メジャーリーグ・ラグビー(以下MLR)のニューイングランド・フリージャックス。ここが僕の新しいホームだ。
MLRは2018年に創設された北米のプロラグビーリーグ。2019年シーズンは1月から6月まで、アメリカ国内8チームにカナダの1チームを加えた9チームのホーム&アウェーのリーグ戦計16試合を戦い、上位4チームがプレーオフに進みチャンピオンを決めるシーズンフォーマットだった。
2020年シーズンからアトランタ、ワシントンDC、ボストンの3チームが加わり計12チームとなる。フランスの人気選手マチュー・バスタローや、ニュージーランドのレジェンド、マア・ノヌー、現役オールブラックスのソニー・ビル・ウィリアムズなども2020年シーズンからMLRに参入する。いま、世界で一番「キテる」リーグだ。
僕は新たに加わったボストンをホームタウンとするフリージャックスに、2年契約で加入することになった。
燃料を入れ、タイヤを装備している。
MLRは日本ラグビーにとって、過去であり、未来だ。
今、日本代表とアメリカ代表が試合をすれば、何度対戦しても日本が勝利するだろう。だが、日本ラグビーの国内事情はトップリーグがプロ化するかしないかで議論が過熱している。
しかし、アメリカのMLRは完全なプロリーグ。しかもスポーツ大国のアメリカがチーム数を増やす。この状況に、僕はとても大きな可能性を感じている。
車で言えば今は燃料を入れ、タイヤを装備している段階。日本は確かにアメリカよりも前にいるかもしれないが、準備が整った時のアメリカンスポーツの加速度は計り知れない。
日本が2019年ラグビーW杯で新しい風を世界のラグビー界にもたらしたように、次の風はアメリカから吹こうとしている。バタフライエフェクト。その発生源である少し先の未来へ、僕は行く。