濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
スターダムがブシロード傘下に。
オーナーの狙い、新日本との関係は?
posted2019/10/23 19:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
女子プロレス史上屈指のビッグニュースだ。
10月17日の記者会見で、女子プロレス団体「スターダム」が事業譲渡によりブシロードグループ入りすることが発表された。
ブシロードはカードゲームなど、いわゆる“アキバ系”コンテンツを中心に扱う企業。今年は東証マザーズ上場も話題になった。岩谷麻優や木村花、“ビッグダディの三女”林下詩美など能力も話題性も高い選手を抱える人気団体を、大資本とコンテンツビジネスのノウハウがバックアップするわけだ。魅力的と言うほかない。
ブシロードを語る上で欠かせないのは、「新日本プロレス」もグループの一員であること。スターダムは“新日本プロレスと同系列の団体”になったのである。
ただ、このことが一部ファンの誤解を招いている部分もある。スターダムの事業譲渡が、新日本プロレスとの提携とイコールだと捉えられてしまったのだ。
「新日本のリングに女子が上がってほしくない」という新日本ファンの声はSNSでいくつも見られた。スターダムのファンにも「他と交わるより自団体の世界観をしっかり見せてほしい」という人はいるはずだ。
「KNOCK OUT」も同系列だが別会社だ。
では実際にはどうなのかと言えば、新日本とスターダムの“交流”は限定的なものになりそうだ。たとえば、新日本の興行の中で毎回、女子の試合が組まれるというわけではない。
今回の“ブシロード入り”で、スターダムを運営することになったのはブシロード傘下の「キックスロード」(原田克彦社長。12月よりブシロードファイトに社名変更)。
同社はキックボクシングイベント「KNOCK OUT」を手がけてもいる。新日本と同系列ではあるが、あくまで別会社だ。なお、スターダムを創設したロッシー小川氏は、新体制ではエグゼクティブ・プロデューサーという立場になる。