“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
2019年ドラフト査定!<パ編>
佐々木朗希指名のロッテが最高点。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byShigeki Yamamoto
posted2019/10/19 12:00
大船渡高校のチームメイトたちに囲まれる佐々木朗希。井口資仁監督のもと、どんな投手に成長していくのか。
覚悟が見えたオリックスの顔ぶれ。
◇オリックス 80点
リーグ最下位に沈んだが、今季3年目の山岡泰輔、山本由伸が飛躍し、育成ドラフト出身の張奕(ちょうやく)、榊原翼、神戸文也も飛躍する兆しがある。こういう乗っているチームはいい指名をする。
1位で3球団が競合した石川昂弥(内野手・中日)を抽選で外し、外れ1位の河野竜生(投手・日本ハム)も抽選で外し、外れ外れ1位で左腕の宮城大弥(投手・興南高)を指名した。オリックスが1位で指名した高校生投手は2008年の甲斐拓哉が最後だったので2011年以来の指名になった。
オリックスの今年のチーム防御率はリーグ5位の4.05だからこのポジションの補充が重要のように思われるが、緊急課題はバッティングのほう。3番大城滉二、4番中川圭太、5番小島脩平というクリーンアップで臨んだ試合を見て、これは一軍の打順ではないと思ったのは6月のこと。それはフロントも同じだったのだろう。
2位紅林弘太郎(遊撃手・駿河総合高)、5位勝俣翔貴(三塁手・国際武道大)は強打者に育つ可能性を秘めたスラッガータイプである。さらに指名した5人の中に社会人の選手が1人もいなかった。これは2018年までの過去10年では初めてのこと。ちなみに、この10年間に指名した社会人は36人。1回平均3.6人の社会人を指名してきたということである。社会人の有益さはよく知っているが、スケールの大きいチームを作りたい今のオリックスには必要がない。覚悟が見えた指名で顔ぶれ以上の得点を与えた。