“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
2009年ドラフトの今を検証<中日編>。
落合政権で輝いたルーキー大島洋平。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2019/10/12 18:00
大島洋平(右)は1年目からリーグ優勝に貢献。日本シリーズ第4戦では高橋聡文とともにお立ち台に上がった。
最大の成果は5位大島洋平。
この'09年ドラフトの最大の成果は5位の大島だ。1、2年目が104試合、96試合に出場してレギュラーを窺う好位置につけると3年目の'12年に144試合に出場し、打率.310、安打172、盗塁32を記録して盗塁王。それ以降もコンスタントに120安打以上を積み重ね、'19年には174安打で最多安打のタイトルに輝いている。
前年の'08年にも中日は社会人の外野手、野本圭を1位で入札している。楽天との抽選で勝って入団にこぎ着けた選手だが通算185安打で終わっているので、大島の活躍はスカウト陣に安心感を与えただろう。
ただ、この活躍が'13年以降のドラフトに影響を与えたかもしれない。
中日は'13年に6人中3人、'14年に9人中5人、'15年に6人中4人の社会人を指名しているのだ。このうち戦力になっているのは祖父江大輔と阿部寿樹の2人だけ(成功選手ではない)。この'13年オフからGMに就任したのが落合氏である。
監督としては8年間で優勝4回、日本一1回をもたらした名監督だが、GMとしてはスカウトとの意志の疎通が十分でなく現在の低迷を招いている。'09年はそういう極端な偏りになる以前の指名である。