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西澤健太は新人記録を塗り替える?
新エースを突き動かすエスパルス愛。
posted2019/10/11 11:00
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph by
J.LEAGUE
今季加入したばかりのルーキーの勢いが止まらない。
J1清水エスパルスのMF西澤健太が、ルーキーイヤーのクラブ最多8得点(2006年のMF藤本淳吾/現J2京都サンガ)まであと1点に迫っている。
リーグ戦第26節、第27節では2試合連続で2得点を挙げ、第28節終了時ではエースFWドウグラスの12得点に次ぐ7得点を挙げている。何より周囲を驚かせるのは、得点を決めた5試合のうち4試合で決勝点を挙げていること。勝負強さを発揮する男はチームのニューヒーローとして存在感を高めている。
筑波大を経由した「Uターン」選手。
地元静岡市出身の西澤はユースまでエスパルスの下部組織で育ち、その後、筑波大に進学した。大学では早々にレギュラーポジションを勝ち取り、2年生では自身が決勝で得点した「全日本大学選手権」で優勝。3年生ではアシスト王として関東大学リーグ優勝にも貢献し、ユースから大学を経由した初めての「Uターン」選手として、4年ぶりにオレンジ色のユニフォームに袖を通した。
「開幕戦から試合に出続ける」
存在感を見せた大学時代の勢いで、西澤はプロでも一気に花開くキャリアを思い描いていた。だが、序盤戦は理想とはかけ離れた状況に置かれていた。戦術理解度や守備力など、5月まで指揮を執っていたヨンソン前監督の西澤に対する評価は低く、リーグ戦ではベンチ入りすらままならず、ターンオーバーで戦うルヴァン杯でもベンチ入りするのがやっと。多くの出場機会は巡ってこなかった。
それでも西澤は腐らずに練習に力を入れた。
「課題は理解していたし、早く克服したかった。焦りはあったけど毎日の積み重ねが大事だから、何があっても前を向いて取り組もう」