リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
王者バルサを襲う3つの不安要素。
脆い守備、拙い攻撃、弱い敵地戦。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2019/09/27 19:00
ようやくメッシが戦線復帰したものの、敵地で勝てていないバルサの現状には不安が募る。
中盤の構成さえ見直せば。
ただ、これらには簡単かつ即効性のありそうな対策がある。
中盤の構成の見直しである。
今季はアレニャやラキティッチ、ビダル、アルトゥールが出番を減らし、ブスケッツが休息をとらされる一方で、昨季まで主にサイドバックを務めていたセルジ・ロベルトが何度も使われている。
新加入のデヨングに至っては、ポジションを変えながら第6節まで全試合で起用されている。それを昨季の並びに戻せばオートマティズムも戻り、ライン間の隙間も減り、攻守ともに一旦は改善されるはずだ。
アウェーでことごとく勝てていない。
しかし、3つ目の問題はそれほど単純ではない可能性がある。
4月23日に行われた昨季、第34節のアラベス戦からこちら、バルサはホームゲーム以外では一度も勝っていないのだ。
昨季中の4試合(リーガ2試合、CL準決勝第2レグと国王杯決勝戦を3敗1分け)はまだ容赦できよう。リバプールを倒してCL決勝へ進むための準備と、その失敗によるショックという事情があったからである。だが新シーズンを迎えてもアスレティックに敗れ、オサスナ戦とCLドルトムント戦に引き分け、グラナダ戦でまた敗れたとなると……。
現在のバルサはカンプノウを離れると威勢を失う。敵がボールを持つと、追い込むのではなく一歩下がって構える方を選んでしまう。
「我々は敵をうまく囲んでタイミングよくプレスをかけられると調子が上がるチーム。今日はそのプレッシングがうまくいかず、影響が出た」
ドルトムント戦後バルベルデはこう釈明したけれど、不甲斐ない試合をしたのは「今日」だけではない。
先述のCLリバプール戦敗北が未だ尾を引いているとしたらどうだろう?