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近本光司が更新した今こそ称える、
新人・長嶋茂雄153安打の偉大さ。 

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKyodo News

posted2019/09/21 09:00

近本光司が更新した今こそ称える、新人・長嶋茂雄153安打の偉大さ。<Number Web> photograph by Kyodo News

セ新人安打記録を更新し、阪神の顔となった近本光司。ただ試合数と安打数を比べてみると、長嶋茂雄の偉大さが見えてくる。

130試合時点での記録を比べると。

 最後に、4選手の130試合時点での記録を比較してみた。試合数が違う不公平は、これで多少なりとも解消できるだろう。

<130試合時点での記録>
佐々木信也
524打数150安打4本塁打
26打点27盗塁
打率.286

源田壮亮
521打数137安打3本塁打
52打点34盗塁
打率.263

近本光司
536打数146安打9本塁打
40打点30盗塁
打率.272

長嶋茂雄
502打数153安打29本塁打
92打点37盗塁
打率.305

 130試合で線引きすれば、長嶋茂雄の153安打がシーズン新人安打記録であることがわかる。長嶋は盗塁も含めたすべての記録で他の3人を上回っている。

 前述したフリック・コミッショナーのように「近本の記録は参考記録だ」と表現するつもりはないが、長嶋の偉大さがこれで色あせることはないことだけは強調しておきたい。

 野球の記録は「融通無碍」に解釈することで、いろんな側面が見えてくるのだ。これも「記録の楽しさ」だ。
 

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