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不屈の男・ヤクルト館山昌平が引退。
右肘手術前に明かした丸刈りの理由。 

text by

田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byKYODO

posted2019/09/10 11:45

不屈の男・ヤクルト館山昌平が引退。右肘手術前に明かした丸刈りの理由。<Number Web> photograph by KYODO

今季、唯一の一軍での登板となった、6月12日の楽天戦でのヤクルト・館山。

「全員でやるのが野球なんだよね」

 甲子園本戦ではレギュラー陣が出場することが当たり前。だから甲子園練習ではベンチで控えている選手たちに思う存分、大甲子園のグランドでプレーしてもらうことを選び、館山はベンチからその光景を観ていた。

「全員でやるのが野球なんだよね。日大藤沢の方針でもあった。控えの選手たちの気持ちが如何にわかるか。敬意をもって接することが出来るか。高校時代からその思いは変わらないかな」

 控えの選手たちの気持ちが如何にわかるか──これこそが館山昌平の最大の魅力だと感じる。

どのレベルでも驕ることなく鍛錬を重ねてきた。

 この思いがあるからこそ想像を絶する苦しい怪我を抱えながらも長く耐え忍び、17年間、現役生活をおくることが出来たのだろう。二軍生活時、リハビリ生活時、若手の選手たちと対等に向き合い、どのレベルでも驕ることなく鍛錬を重ねてきた。

 プレーを続ける為の術を見出し、続けた先に何が待っているかを知っている人間だ。怪我で苦しむ若手や、手術を行うかどうかで悩むベテラン、技術的に精神的に伸び悩む選手たちにとって、彼からのアドバイスは珠玉のものになるはずだ。

 引退会見でどんな言葉を吐露するのか。これからの未来をどのように進もうと考えているのか。

 館山昌平だからこそ楽しみで仕方ない。

 それと同時に今は酷使してきた肘を身体をゆっくりと休めてもらいたい。

 お疲れ様でした。

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#館山昌平
#東京ヤクルトスワローズ

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