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8月初旬までに日本馬が18頭で25戦。
海外挑戦はもはや特別ではない。
posted2019/08/13 07:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
今年は例年にも増して海外遠征をする日本馬が多い。
先日の8月1日にはディアドラ(牝5歳、栗東・橋田満厩舎)がイギリスでナッソーS(GI)を制した事は当コラムでも記したが、同馬にとってそのレースは今年だけですでに4戦目となる海外での競馬。春先のドバイや香港はすっかり日本の競馬番組の中にも定着してきた感があるが、ディアドラはそこを連戦した後、イギリスへ渡り、かの地でプリンスオブウェールズ S(GI)を6着。さらに続戦したのがこのナッソーSだったのだ。
ちなみに現地ではニューマーケットにあるアビントンプレイスと呼ばれる厩舎を間借りしているが、ここには同じく日本馬のシュヴァルグラン(牡7歳、栗東・友道康夫厩舎)が滞在している。
同馬は7月27日にアスコット競馬場で行われたキングジョージVI世&クイーンエリザベスS(GI)に挑戦して6着。その後もアビントンプレイスに滞在し、次走は8月21日に迫ったヨーク競馬場で行われるインターナショナルS(GI)に挑戦をする予定だ。
ニューヨークでも同様のことが。
このようにディアドラとシュヴァルグランの2頭の日本馬は海の向こうで同じ敷地内にある厩舎に入っているわけだが、管理している調教師は勿論、ここまでの臨戦過程も違えば、今後目指すレースも異なる。それゆえ、調教も別メニューで行われている。
このようなケースはつい先日のアメリカ、ニューヨークでも見られた。
ケンタッキーダービー(GI)6着からベルモントS(GI)に挑戦し、5着となったマスターフェンサー(牡3歳、栗東・角田晃一厩舎)は、更にその後、7月6日にベルモントパーク競馬場で行われたベルモントダービー招待(GI)に挑戦(13着)。この3戦目と同じ日に行われたベルモントオークス招待(GI)にはジョディー(牝3歳、美浦・戸田博文厩舎)が出走(4着)。
この両頭は共にベルモントパーク競馬場内に滞在したが、入厩時期がズレている事もあり、厩舎棟は別々の場所。こちらも調教師が異なるため、調教メニューは別々。
私はレース前の数日をかの地に赴いて取材させていただいたが、少なくともその間に2頭が調教コースでまじわったり、すれ違ったりというシーンにはただの一度も出くわさなかった。