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西武・若獅子寮が40年間の歴史に幕。
中村剛也、栗山巧らが思い出を語る。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2019/08/10 11:30
菊池雄星ら数々のスター選手が若獅子寮から巣立っていった。
思い出せば笑顔がこぼれる。
「一時期、中庭の屋外でビリヤードをやることも流行りましたね。とにかくみんな仲がよかった」と木村は笑った。プロとしてお互いへのライバル心を持ち、切磋琢磨しつつも、一方では学生時代の部活動のように、思い出せば笑顔がこぼれる、かけがえのない毎日を過ごした場所だ。
「新しい寮ができて、さみしいというより、若い選手にとっては『よかったな』という感覚です。ときどき、テレビで他球団の寮や室内練習場が紹介されるのを見ると、やっぱりうちが圧倒的に古い。ほかとつい比較してしまう気持ちはわからないでもないですから」(木村)
8月1日から解体工事に入り、寮のあったスペースへの出入りは叶わなくなった。数々の楽しい思い出とともに、一時代を支えた建物がその役目を終える。
「うん、でも、やっぱりなくなると思うと寂しいかな。取り壊すときは見にいこうかな」と笑った中村は、若獅子寮の最後に立ち会えるだろうか。