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ドラ1候補・森下暢仁は中日へ?
明大主将右腕と竜にある運命の糸。
posted2019/06/19 11:30
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
Kyodo News
果たして運命の赤い糸、いや紫紺の糸はつながっているのか。
先日行われた大学選手権で見事に明大を38年ぶり6度目の優勝へと導いたのは森下暢仁(4年、大分商)だ。
「今日勝てば、明治大学野球部が幸せになると思ってマウンドに上がった」と、佛教大との決勝戦では被安打7、10奪三振で完投した。
投手としては最速154kmを誇り、主将としてチームを束ねる。高校ビッグ4に注目が集まっているが、森下は今秋のドラフトで1位指名が確実視されている逸材だ。大学選手権胴上げ投手の称号を得た右腕は、どこへ進むのか。
明治、投手、主将。この3つのキーワードを打ち込めば、進路はすでに定まっているとしか思えない。
過去を振り返ると、「中日1位」で決まり?
明大野球部の公式サイトには歴代主将の名が記載されている。高田繁や現監督の善波達也らもそうだが、投手だと古くは夏の甲子園を3連覇した吉田正男(中京商)、甲子園で全5試合完封、準決勝と決勝はノーヒットノーランという嶋清一(海草中)、戦後も三沢高との死闘を演じ、深紅の優勝旗を勝ち取った井上明(松山商)ら伝説の選手がずらりと並ぶ。
ただし、こうした大物もプロ野球には進んでいない。プロへと進んだ投手の名を拾い上げてみると、星野仙一(倉敷商)、高橋三千丈(静岡商)、川上憲伸(徳島商)、柳裕也(横浜高)。
野球好きならおわかりのように、全員が中日にドラフト1位で入団している。全員が右投手。柳を除けば公立の商業高校なんてこじつけもできそうだ。すわ、森下は中日入り決定か!
自らの代では明治神宮大会を制した柳にも、単なる先輩と後輩の間柄を超えた縁がある。