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二軍・藤浪に「リミット」を!
藪恵壹が語る、阪神優勝の鍵。
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2019/06/18 08:00
腕を下げるなど試行錯誤中の藤浪。今季、二軍では3試合9イニング無失点で被安打1、四死球1、11奪三振(6月16日現在)。
球宴後となれば、10試合程度しかない。
藤浪はプロに入って、これほど長い間、一軍のマウンドに上がらない経験というのは初めてでしょう。最も良くないのは、ファームでの結果や内容を追い求めすぎて、ズルズルと時間だけが経ってしまうということです。
冷静に計算してみると、交流戦が終わるとペナントレースは残りおよそ70試合、もう半分しかないわけです。さらに、オールスター後となれば、60試合しかない。先発投手としてフルに登板できたとしても10試合程度しか投げられないのです。
私は開幕前から、もしタイガースが優勝するとすれば、藤浪の力が絶対に必要だと言ってきました。彼個人の状態が大切なのはもちろんですが、チームの勝負について考えた時には、あまり悠長なことは言っていられないというのが現実です。
ファーム・オリックス戦での登板のように、ある程度のメドが立った以上は期限を設定して、そこに向かって練習、実戦をやっていくという方法がベターなのではないかと思います。
大事な復帰戦は対DeNAに?
そして、こうしたケースでは、一軍での復帰最初のゲームというものは非常に大事になってくると思います。本来、力のある投手が怪我をしているわけでもなく、無期限二軍調整というプロセスをたどってきた以上、いざ復活というゲームで結果が出なければ、積み上げてきたものが一気に崩れてしまったり、大きなダメージを受けかねないからです。
本来ならば、二軍調整を経た場合、ファームで対戦していない球団、つまり二軍がイースタン・リーグに所属している球団(巨人、DeNA、ヤクルト)にぶつけるというのが正攻法ですし、さらに慎重を期すならば、藤浪が相性の良いDeNA戦を復帰の舞台に選ぶというのがデータの上では最も考えられる選択かもしれません。