難しいボルダーを伊藤ふたばが全完登。

　野中をはじめ、最初の種目で好スタートを切った選手が多かったものの、次に行われたボルダリングではセッター陣のひとりが、「この暑さは想定していないので、完登できない選手がたくさん現れそうで怖いですよ」と不安を口にしていた通り、多くの選手が苦戦した。

　男女それぞれ8選手が0完登に終わるなか、女子では野口啓代が2完登3ゾーンで2位、森秋彩が2完登2ゾーンで3位、野中生萌が1完登4ゾーンで4位となったが、ただひとり全4課題を完登した伊藤ふたばが同種目1位を手にした。

ボルダリングの予選では本来の輝きをみせた伊藤ふたば。

　男子では2完登した原田海がこの種目で1位になって波に乗ると、最終種目のリードでも1位となって予選の1位通過を決めると、「今シーズンはこの大会と、世界選手権に向けて調整しているので、ちゃんと結果を残せてよかったです」と、安堵の表情を浮かべた。

危なげない登りでボルダー1位となって予選1位通過した原田海。

　原田を含めた五輪強化Sランクの藤井快（予選2位）、楢﨑智亜（同3位）、楢﨑明智（同4位）の男子4選手と、女子Sランクの野中生萌（同1位）と野口啓代（同4位）は、決勝進出となる8位以内で予選を終えたことで、世界選手権コンバインド代表の、協会が定める選考基準の条件を満たした。

　大会2日目の決勝は予選上位8位までの選手が新たに3種目に挑み、各種目の順位点の掛け算で算出する総合ポイントでコンバインド王者を争った。男子は強化Sランクの選手たちが躍動するなか、スピードで6秒291の日本新記録で1位になったアドバンテージを生かした楢﨑智亜がコンバインド2連覇を達成した。女子では予選を1位通過した野中生萌が、決勝でも存分に実力を発揮。スピード1位、ボルダリング1位、リード7位の総合7ポイントとして、『ボルダリング・ジャパンカップ』、『スピード・ジャパンカップ』に続き、3つ目のジャパンカップ女王に輝いた。

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